整形外科とリウマチ科の違い

関節の痛みや腫れ、手足のこわばりなどの症状があるとき、「整形外科に行くべきか、リウマチ科に行くべきか分からない」という方が多いようです。両方とも“運動器”を扱う診療科ですが、診療の専門性や得意とする病気には大きな違いがあります。
このページでは、整形外科とリウマチ科の違いについて、患者さんに分かりやすく一般的な考え方をご紹介いたします。

整形外科とは

整形外科は、主に骨・関節・筋肉・神経といった運動器のケガや加齢による変化を治療する診療科です。

整形外科が得意とする症状・疾患

整形外科
  • 骨折、脱臼、捻挫
  • ぎっくり腰、腰痛、肩こり
  • 五十肩(肩関節周囲炎)
  • 変形性膝関節症
  • スポーツ外傷・スポーツ障害
  • 事故や転倒によるケガ

外傷や局所的な痛みに対して、X線(レントゲン)などを用いて原因を特定し、薬物療法・リハビリ・注射治療などで改善を図るのが特徴です。

リウマチ科とは

リウマチ科は、関節や全身に炎症が起こる自己免疫性疾患を専門的に診る診療科です。代表的な病気が「関節リウマチ」で、早期発見・早期治療がとても重要です。

リウマチ科が得意とする症状・疾患

リウマチ科
  • 朝のこわばりが続く
  • 手指・手首・足の指の関節の腫れ・痛み
  • 左右対称に複数の関節が痛む
  • 発熱や倦怠感など全身症状を伴う
  • 関節リウマチ
  • 膠原病(全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など)

リウマチ科では、血液検査や超音波検査(エコー)を組み合わせ、炎症や自己抗体の有無を詳しく調べます。関節リウマチは早期治療が関節破壊の予防に重要であるため、専門科の受診が特に大切です。

どちらを受診するか迷われる方へ

関節リウマチは、早期発見と早期治療がとても重要な疾患です。発症から時間が経つと関節の変形が進行しやすくなるため、気になる症状がある場合は早めの受診が安心につながります。

「整形外科に行くべきか、リウマチ科に行くべきか分からない」という場合でも、まずはお気軽にリウマチ科にご相談ください。血液検査や超音波検査でリウマチではないと判断できれば、その時点で適切な診療科をご案内できます。

関節リウマチでなかった場合には、整形外科での治療が適しているケースも多くあります。

廣田浩一院長

どちらの領域にあたるかを判断することもリウマチ科の役割の一つですので、迷っている段階でも遠慮なくリウマチ科を受診してください。


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